2016/12/16 世界が熱狂する・・・
サッカークラブワールドカップ?
違います。
なんとスターウォーズの最新作がとうとう世界同時公開されました!(歓喜)
今回の作品は、本作のスピンオフ的な立ち位置ですが、なんと最初の二日間だけで全世界340億円の興行収入を記録したんだとか。
ところで、スターウォーズの見どころは何と言っても、なんでも切ってしまうライトセーバー、どうやって浮いているのか分からないような巨大な戦艦、ダースベーダーの生命維持装置、明らかに光速より遅いレーザービームなど、目を見張るような科学技術です!(嘘)
その中でも一番謎に包まれているのは、ジェダイやダースベーダーの超常的な力の源になっている「フォース」ではないでしょうか。
そこで今回はフォースを物理的な観点から分析したいと思います
このブログを読み終わった後には、あなたもフォースが使えるようになっていることでしょう・・・
May the force with you …
私はフォースと言われると、ダースベーダ―が人の首を絞めながら空中に浮かすシーンを思い出します。
味方でも関係なく首を絞めてましたね。めっちゃブラックです。この人の下では働きたくないですね。
でもダースベーダークラスになると、これを余裕で行っているのですごいものです。
片手で人の首を絞めながら中に浮かすのってなかなかすごくないですか!?
それでは本題: フォースとはなんなのか?
フォースは第六感だ!波動だ!メンタルだ!
いろんな説があると思いますが、ここでは物理的に考察していきたいと思います。
仮説1: ダースベーダーは筋トレが大好きだった!
皆さん、力学はご存知でしょうか。
物理学の根底を支える力学には、3つの基本的な法則があります。
慣性の法則:物体に力がかからないとき、止まっている物は止まったまま、動いている物は同じペースで動き続ける。宇宙空間でのリンゴの運動をイメージすると分かり易いですね。
運動の法則:力がかかる場合、その運動はF=ma(F;力、m;質量、a;加速度)で表される。リンゴの近くに地球があると、リンゴは重力という力がかかり、地球に向かって加速していきます。
作用・反作用の法則:物体Aが物体Bに力を加えると、BからAに反対の向きの力が働く。リンゴが地球に引き寄せられるだけでなく、実はほんの少し、地球もリンゴに引き寄せられているんです!
この超超超基本法則を考えると、何もないところで人が浮くのは不可能です!
可能であるためにはダースベーダーがそれを支えていなければならないのです!
ここでは、ダースベーダーが「フォース」と呼ばれる何か見えないものを使って、人の首をつかんで持ち上げてると考えましょう。
これは現実的なのでしょうか?
これを行うためにはどれくらいの力が必要か考えたいと思います。
図:ダースベーダが人の首根っこを持って浮かしているときの力を考えます。
肩という軸があって、その周りの力を考えるとき、トルクと呼ばれるものを考えます。
トルク T=(距離 r)×(かかる力 F)
という式が成り立ちます。
レンチでボルトを回すとき、ボルトから遠いところを持った方が回しやすいのは、この距離rが大きくなることでトルクが大きくなるためですね。
ここで、人が浮くためには、ダースベーダーの肩を軸として、人の重さによるトルクとダースベーダーの肩の力によるトルクが相殺しないといけません。
図にあるように、肩が力を発揮する距離を10cm、持ち上げてる人が10mと簡単に仮定します。
この時、肩にかかっている力は、なんと、人100人分の重さです!!
ちょっとイメージが湧きづらいですか?
手を前方に伸ばして下さい。今、あなたの手に人20人がぶら下がっていると考えてください。
因みにジムトレーナーの私が肩のトレーニングするとき持つ重さは10kgが限界です(笑)
ダースベーダーもよく顔色一つ変えずにこんなことできますね。
やはり、舞台裏では必死に筋トレをしていたのでしょうか。あっぱれです。
仮説2: ダースベーダー親衛隊コードネーム「忍者」
やはりいくらダースベーダーが好きだからと言って、そこまで強いとチートだろと思うわけです。
それじゃあ、あのがりがり貧層のルークじゃ勝てないだろうと(笑)
よって次に考えられるのが、「実はあれダースベーダーの力じゃないんじゃないの…?」
誰の仕業かって?? そりゃダースベーダー親衛隊コードネーム「忍者」(我ながらダサいな…)に決まってるだろ!!
図:普段は見えないが、実はダースベーダーの周りはストームトゥルーパーの護衛団で囲まれている!
普段は見えないけど、実はこいつらが雑用の殆どをこなしています。
タイミングよく人を持ち上げるのは当たり前、時には沼から宇宙船を引き上げたり、放り投げられたライトセーバーを拾ってきたりします。
スポットライトを浴びない場所で、透明になったストームトゥルーパーたちが壮大な戦いを広げています
頭がおかしくなったかと思われるかもしれませんが、実はこれ、あながち間違ったことは言ってません。
身体を透明にしたり、中にあるものを見えなくする透明マントのようなものは既に開発がすすめられています。
アメリカの軍隊が開発に取り組んでいるということで話題にもなりました。
また、物性物理の分野でも、メタマテリアルと呼ばれる、光学迷彩に使える物質の開発が盛んになっています。
このトピックはいずれブログでも取り上げたいと思っています。
さてさて、結局はダースベーダーのフォースの強さは親衛隊の強さと規模によるわけです。
つまり、あれだけの強さを手に入れることができたのは、一重にダースベーダーの人格があったからだったのではないでしょうか。
一見他人に厳しいダースベーダーですが、実は自分を守ってくれる親衛隊にはとことん優しい。
そんなギャップに親衛隊の人は魅かれていったのだと思います。
こんな上司の下で働きたいものです。
いかがでしたか?
こんな目線でもう一度スターウォーズ見直していただければ、明日からあなたも部下の心を掌握し、フォースを使えるようになるのではないでしょうか…
大地
出典:
http://www.kotaku.jp/2013/04/makankosappo.html
http://matome.naver.jp/odai/2144751179297481101/2144751217897672503
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1425319034
投稿者プロフィール
- 東京大学物理工学科卒業。現在ブランダイス大学にて物理(ソフトマター・生物物理)を専攻中。Ph.D.1年目。好きな筋トレはトライセプスエクステンション。好きなビールはIPA。
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