例えば今僕の目の前にセブンのカフェラテがあります(図3)。
こいつは何で赤と白の部分がこんなにはっきりと分かれて見えるのでしょうか?
別にセブンのカフェラテ自体が太陽みたいに発光している訳ではないですよね??
図3 セブンのカフェラテ(出典:セブンイレブン)
これを理解するためには、光と物質が相互作用するときにおこる4つの現象を知っておく必要があります。
具体的には、発光、透過、吸収、散乱、の4つを見ていきましょう(本当はこれに加えて放出、屈折、反射などの現象もありますが、今回は割愛します)。
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発光
最もベースとなる現象ですね。例を挙げると太陽、たき火、ホタル、白熱電球、LEDなど、現代的なものから原始的なものまで多岐にわたります。これら一つ一つをピックアップするだけでブログが書けてしまうので、今回は省略させてもらいます。興味のある人は「ルミネッセンス」で検索してみてください。
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透過
窓ガラスに代表される現象が透過です。文字通り、入ってきた光をそのまま透過するので、透明で、あたかもそこに何もないように見えます。しかし、透過率100%という物質もなかなかなく、窓ガラスも多少光を反射したり、散乱したりするため、一様そこに窓ガラスがあることが分かります。透過率100%の物質をもし作ることができても、なくさないように細心の注意を払う必要があるでしょう。なぜなら、一度なくしてしまうともう「視え」ないからです。(通常、透過率を議論する際には、どの波長の光に対しては透過率~%という風に考えます。すべての可視光領域に対して透過率を100%を達成することは難しいでしょう)
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吸収
吸収とは文字通り、光を吸収してしまう事です。これを調べるためには、対象物を光源と自分の間に挟んであげればわかります。光源がきれいに見えれば吸収はなし、少し暗くなっていたり、見えなくなっていたりすると、吸収ありです。ただし、散乱の可能性もあるので注意が必要です。
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散乱
少し深く考えだすと、吸収とごっちゃになりやすいですが、吸収は、物質を透過していく中で光の強度がだんだん弱くなることを指します。対して、散乱はいろいろな方向に光をまき散らす現象を指します。ここではあえて深い説明はせずに感覚的なものにとどめておきますね。
散乱、吸収、屈折は実は密接な関係があるので、よかったら自分で調べてみてください。
これらの現象を用いて、身の回りのものがなぜそのように見えているのか解説していきたいと思います。まずは、セブンのカフェラテです。
セブンのカフェラテ
セブンのカフェラテは色がはっきりしています。赤、白、黒。白、黒は全ての波長を散乱しているか吸収しているかなので、面白くないですね。赤に注目しましょう。赤は何故赤色に見えているのでしょうか?当てている光は白なのにもかかわらず。
これは、青、緑の光を吸収し、赤の光を散乱させる特性を持った物質を使っているからなんです。少し変に聞こえるかもしれませんが、赤は全く吸収されていません、赤が全て散乱されているので、赤が見えているのです。
葉っぱ
では少し応用です。葉っぱは何故緑に見えるのでしょう?
先程同様に考えてみましょう。葉っぱは緑に見えますね。これは緑の光を散乱しているからです。逆に、赤の光は吸収されてしまって見えません。
では、吸収されてしまった赤色の光はどこに行ったのでしょうか?
光合成です。
植物は赤い波長の光からエネルギーを取り出し、活動をしています。普段は緑に見えている物なので、少し違和感がありますよね?
ここまでは比較的わかりやすい例を出しました。
読んでいただいた方は、私たちは何を「視る」のか、なんとなく分かっていただけたのではないでしょうか。
最後に、「そういえばあんまり気にしたことないけど…自分たちが視ているものはこんなに奥が深いんだ!」
という例をいくつか紹介したいと思います。
少し複雑ですが、興味がある方、ぜひチャレンジして読んでみてください、
最終章:目に映るすべてを説明せよ!!
>>>next: 4/4 視覚をカガクする ~私たちは何を「視る」のか~
投稿者プロフィール
- 東京大学物理工学科卒業。現在ブランダイス大学にて物理(ソフトマター・生物物理)を専攻中。Ph.D.1年目。好きな筋トレはトライセプスエクステンション。好きなビールはIPA。
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