2015年宇宙の旅

・ロケットの種類

 

世にロケットと呼ばれるものは大きく2つに分けられます.「化学」と「非化学」です.

これだけ書いても全く分からないので少し詳しく解説しましょう.

まず一つが,化学推進

「化学」の2文字は燃料を化学反応させることから来ています.

ここでいう化学反応は,酸化剤と燃料の2つで起こされるもの.高校生のときに必死になって暗記した「酸化還元反応」というやつです.

①はよくテレビでも見ているものだと思います.巨大なロケットの中にある燃料(ロケットの9割は燃料!)を反応させて,アツアツ,パンパンの状態にして後ろに噴き出します.それによって,宇宙空間へとロケットは飛んでいきます.

②は衛星用の推進器です.イラストの衛星の後ろ側に”ラッパ”みたいなものがついているのが分かりますか? ①のロケットエンジンを小型にしたようなものです.この小型化学ロケットを使って宇宙を飛んでいる衛星はたくさんいます.

化学推進は瞬間的に大きな力を得られるのが特徴ですが,燃料の消費が大きいという点で短時間利用向けのエンジンです.

 

もう一つが,非化学推進

”非”化学なので,化学推進に含まれないもの全部がこちらです.

はやぶさに搭載されたイオンエンジンなどもこれにあたります.

③はNASAのイオンエンジンです.ガスを電気の力で「イオン」という状態にして使います.

(余談ですが、イオンの色はガス特有の色。例えばアルゴンというガスだと赤紫色に光ります。とてもキレイに光るのでイオンエンジンの動作は一見の価値あり)

こちら,化学推進と同じだけ加速したい時に消費する燃料は化学推進の1/10. 加速にかかる時間は化学推進より格段に長くなりますが,加速したり減速したりは化学推進よりも自由自在です。

以前に比べると自由に宇宙を飛び回ることができるようになりました。

 

他の非化学推進としては,太陽光をヨットのように受けて進む「ソーラーセイル」や磁場を利用する「磁気セイル」等があります.

>>>次ページ:「ロケットエンジンのNo.1は?」

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